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増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
5.皮膚科医のための臨床トピックス
ネモリズマブのアトピー性皮膚炎に対する効果
Efficacy of nemolizumab for atopic dermatitis
入江 浩之
1
,
中嶋 千紗
1
,
椛島 健治
1
Hiroyuki IRIE
1
,
Chisa NAKASHIMA
1
,
Kenji KABASHIMA
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Kyoto University Graduate School of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
かゆみ
,
IL-31
,
IL-31受容体
,
ネモリズマブ
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
かゆみ
,
IL-31
,
IL-31受容体
,
ネモリズマブ
pp.155-157
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206366
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インターロイキン(IL)-31はTヘルパー2細胞(Th2細胞)などにより分泌され,かゆみや皮膚バリア機能に直接的に関与すると考えられている.アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)では病変皮膚でIL-31の発現上昇が認められ,皮膚炎の重症度(SCORAD:SCORing Atopic Dermatitis)と血清中のIL-31濃度が正の相関を示す.IL-31はIL-4,IL-13,thymic stromal lymphopoietinといったTh2サイトカインとともに,ADの病態形成に深く関与することが知られている.今回,抗IL-31受容体抗体であるネモリズマブが国内第3相試験によりADのかゆみや皮膚炎を改善させることが明らかとなった.既存の方法では改善できなかった症例に対する新規治療として,今後のネモリズマブの臨床適応が大いに期待される.
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