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第1土曜特集 アトピー性皮膚炎の治療を網羅する
トラロキヌマブの有用性
The usefulness of tralokinumab
小寺 雅也
1
Masanari KODERA
1
1地域医療機能推進機構中京病院皮膚科
キーワード:
トラロキヌマブ
,
リアルワールドデータ
,
眼合併症
,
顔面病変
Keyword:
トラロキヌマブ
,
リアルワールドデータ
,
眼合併症
,
顔面病変
pp.60-64
発行日 2024年10月5日
Published Date 2024/10/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291010060
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アトピー性皮膚炎(AD)は,乳幼児・小児期から発症し,成人でも2.5~10.2%と高い有病率を有する.皮膚バリア機能の障害,抗原特異的・非特異的に誘導される2型免疫反応によるアレルギー炎症,サイトカイン,ケモカインおよび化学伝達物質により引き起こされる痒みなど,炎症と皮膚バリア機能障害に関与する2型サイトカインであるIL-4およびIL-13が重要な役割を担っている.抗IL-4/IL-13抗体製剤,JAK阻害薬,抗IL-31抗体製剤など,ADの全身治療として治療選択肢が広がっている.トラロキヌマブは,2022年12月に承認されたAD治療薬である.本剤はIL-13に高い親和性で特異的に結合し,IL-13を介したシグナル伝達を阻害する免疫グロブリンG4(IgG4)サブクラスの組換えヒトモノクローナル抗体であり,IL-13を介したシグナル伝達のみを阻害する初の抗体製剤である.従来の生物学的製剤と比較して,効果は同等である一方,眼合併症や顔面病変の悪化の頻度が低く,安全性にも期待ができる新規治療薬である.
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