研究
受療率のトレンドから読み解く現状投影型モデルによる医療需要推計の有用性と実務的限界
髙橋 一剛
1
1広島県健康福祉局医療機能強化推進課
キーワード:
リアルワールドデータ
,
医療需要
,
受療率
,
地域医療構想
,
医療経営
Keyword:
リアルワールドデータ
,
医療需要
,
受療率
,
地域医療構想
,
医療経営
pp.58-63
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770850010058
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要旨
医療需要の将来推計は,行政の政策立案や医療経営の検討において不可欠である.本研究では,広島二次医療圏(以下,広島圏域)を対象に,「現状投影型モデル」を用いて呼吸器・乳腺領域,泌尿器領域,外傷性疾患(高齢者)について将来の医療需要を推計した.現状投影型モデルは,受療率に将来人口を乗じる簡易な手法であり,共有・説明のしやすさから広く活用されている.一方で,前提となる「受療率は将来も一定」との仮定には限界がある.そこで本研究では肺炎,肺癌,前立腺癌,大腿骨骨折を対象に,過去8〜9年の入院および手術受療率の年齢区分別のトレンドを分析した.その結果,入院受療率は4疾患において,ほぼ全ての年齢区分で低下傾向にあり,これに対して手術受療率は疾患,年齢区分によって増減の傾向が異なった.現状投影型モデルの実務的な活用には,その有用性と限界を理解し,これらの受療率のトレンドから読み解く視点が求められる.

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