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第1土曜特集 アトピー性皮膚炎の治療を網羅する
デルゴシチニブ軟膏
Delgocitinib ointment
中嶋 千紗
1
Chisa NAKASHIMA
1
1近畿大学医学部皮膚科学教室
キーワード:
アトピー性皮膚炎(AD)
,
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬
,
デルゴシチニブ
Keyword:
アトピー性皮膚炎(AD)
,
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬
,
デルゴシチニブ
pp.33-39
発行日 2024年10月5日
Published Date 2024/10/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291010033
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アトピー性皮膚炎(AD)は免疫応答の破綻,バリア機能の異常,痒みなどが複雑に絡み合う疾患である.近年,ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬が複数開発されているが,そのなかでもデルゴシチニブはわが国において開発されたJAK阻害薬の外用剤である.デルゴシチニブは,JAK/STAT経路を阻害することでADの主要な3要素を改善させることが基礎的研究より示唆された.また臨床試験では,成人および小児のAD患者において皮疹や痒みの改善が示された.成人では0.5%製剤を,小児では0.25%製剤あるいは0.5%製剤を1日2回外用する.副作用としては毛包炎やヘルペスなどに注意が必要である.デルゴシチニブは,ADの寛解導入や寛解維持療法において有用な外用薬と考えられる.ステロイド外用薬(TCS)との併用も可能で,皮膚の菲薄化などの副作用軽減にも期待できる.
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