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増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
4.皮膚疾患治療のポイント
アトピー性皮膚炎に対するデルゴシチニブ外用療法
Topical treatment for atopic dermatitis with delgocitinib
佐伯 秀久
1
Hidehisa SAEKI
1
1日本医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Nippon Medical School, Tokyo, Japan
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
デルゴシチニブ
,
コレクチム
,
JAK
,
抗炎症外用薬
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
デルゴシチニブ
,
コレクチム
,
JAK
,
抗炎症外用薬
pp.92-95
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206341
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細胞内シグナル伝達系であるJanus kinase(JAK)経路はアトピー性皮膚炎の病態に深く関与している.2020年1月にJAK阻害外用薬であるデルゴシチニブ(コレクチム®)軟膏がアトピー性皮膚炎に対して承認され,6月より発売された.適用となるのは16歳以上のアトピー性皮膚炎患者であり,皮膚感染症部位を避けて,または予め適切な抗菌薬,抗ウイルス薬,抗真菌薬による治療を行ってから使用する.1日2回適量を患部に塗布し,1回の塗布量は5gまで(1日10gまで)とする.デルゴシチニブ軟膏0.5%の効果はステロイド外用薬のIII群やタクロリムス軟膏0.1%に近い.ステロイドには皮膚萎縮,毛細血管拡張などの副作用があるが,デルゴシチニブにはみられない.皮膚刺激感はデルゴシチニブではタクロリムスに比べて少ない.デルゴシチニブはステロイド,タクロリムスに次ぐ第3の抗炎症外用薬として期待される.
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