FORUM 死を看取る――死因究明の場にて・Vol.24
死因究明の実践⑦
大澤 資樹
1
Motoki OSAWA
1
1東海大学医学部基盤診療学系法医学領域
pp.1089-1092
発行日 2024年9月21日
Published Date 2024/9/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290121089
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身元不明
法医解剖においては,遺体の身元が誰のものなのかわからない場合がしばしばある.たとえば,水中に浮遊する遺体が発見された場合を考えてみる.第13回でも説明したとおり,水中発見死体が偶発的な事故死なのか,自殺あるいは他殺なのか死因の種類を判断することは容易ではない.海または河川の流れに漂うため,往々にして死亡した場所から遠く離れた地点で発見される.また,漂流するなかで波に揺られるうちに,持ち物は流され,着衣は脱げてしまう場合も多く,名前がわかる身分証を身に着けていない場合が大半となる.
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