特集 死因究明制度の現状と将来展望
日本の死因究明制度の現状と将来展望
福永 龍繁
1
1東京都監察医務院
pp.294-298
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208173
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死体検案・解剖は,人が受ける最期の医療と位置付けられる.人が亡くなり異状死として取り扱われる場合,検視が行われる.その際に,犯罪性がなければ死因や死亡の種類の決定がなおざりにされている地域が多く,監察医制度の有無によって死因究明の精度に地域格差があることを喫緊の課題として,死因究明二法は制定され,内閣府に死因究明等推進会議が設置され,2014(平成26)年4月に最終報告書が出された.その二法のうちの「死因究明等の推進に関する法律」が同年9月に失効し,新たな法律が制定されることもない現状である.
本稿では,国の死因究明に関する検討会に関わってきたひとりとして,これまでの経過と今後の進むべき方向について論じたい.
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