FORUM 死を看取る――死因究明の場にて・Vol.19
死因究明の実践②
大澤 資樹
1
1東海大学医学部基盤診療学系法医学領域
pp.265-268
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290030265
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入浴中の急死
入浴中の急死は,わが国に特有の死亡の形態で,東京都健康長寿医療センター研究所は,2011年に全国で年間17,000人が犠牲になっていると推計した1).予防の啓蒙活動や浴槽の改良から減少傾向にあるとされるが,依然1万人以上が犠牲になっていると想定されている.図1はわれわれの部署で検案解剖となった事例をまとめたデータだが,65歳以上の高齢者に多く,男女差はなく,冬季に多発する2).わが国の入浴スタイルは非常に特殊で,40℃以上の高温水に首までつかるもので,世界的にはhead-out immersion(頭出し入浴)として知られている.
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