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第1土曜特集 性差医学の現在地――最新知識とエビデンス
消化器疾患における性差
Gender differences in gastroenterology, hepatology and pancreaticobiliary
名越 澄子
1
Sumiko NAGOSHI
1
1埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科
キーワード:
上部消化管疾患
,
下部消化管疾患
,
肝疾患
,
胆道疾患
,
膵疾患
Keyword:
上部消化管疾患
,
下部消化管疾患
,
肝疾患
,
胆道疾患
,
膵疾患
pp.868-872
発行日 2024年9月7日
Published Date 2024/9/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290100868
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消化器疾患においても罹患率や成因,病態,予後などに性差が認められる.明らかに男性に多い消化器癌は,食道癌と分化型胃癌,肝癌である.性別により発症の危険因子が異なる可能性が報告されているのは,食道癌,機能性ディスペプシア(FD),未分化型胃癌,非アルコール性脂肪肝炎(NASH),膵癌である.症状に明らかな性差があるのは過敏性腸症候群(IBS)で,下痢型IBSは男性,便秘型IBSは女性に多い.下痢型IBSの治療薬である5-HT3受容体拮抗薬では,女性の至適用量は男性の半量である.また,女性は男性より短期間の飲酒でアルコール性肝障害やアルコール性膵炎になりやすいとされている.一方,女性に多いとされてきた胆囊結石のように,生活習慣などの変化により罹患数の男女比が逆転することもある.
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