今月の主題 膵疾患と臨床検査
解説
膵外分泌機能調節ペプチド・2 コレシストキニン
池井 聰
1
,
小川 道雄
1
Satoshi IKEI
1
,
Michio OGAWA
1
1熊本大学医学部第二外科学教室
キーワード:
コレシストキニン
,
CCK
,
膵疾患
,
CCK受容体拮抗剤
,
CR1505
Keyword:
コレシストキニン
,
CCK
,
膵疾患
,
CCK受容体拮抗剤
,
CR1505
pp.1071-1075
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916864
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コレシストキニン(CCK)は胆嚢収縮,膵外分泌,消化管運動の生理作用にとって重要な調整物質である.CCKは食餌によって分泌され,膵外分泌を刺激し,膵外分泌のフィードバック調節機構において中心的役割を果たしている.これまでCCKは臨床においては胆嚢収縮能検査などに,基礎的研究では急性膵炎実験動物の作製などに用いられてきたが,膵・胆道疾患の発症・増悪にどのような役割を果たしているか明らかにされていなかった.しかし最近になって,CCKの血中濃度の測定が可能になり,また各種のCCK受容体拮抗剤(CCK拮抗剤)が開発され,特にCCK受容体の研究の急速な進歩とともに,急性膵炎,慢性膵炎,膵癌などの膵疾患におけるCCKの役割が解明されつつある.そしてCCK拮抗剤は,これらの膵疾患に対する臨床治療薬としての応用が開始されている.
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