Japanese
English
特集 糖尿病の個別化食事療法を考える――糖質制限 vs. カロリー制限を超えて
糖質制限と正常血糖ケトアシドーシス(euDKA)
-――SGLT2阻害薬を使用する際の注意点
Carbohydrate restriction and euglycemic ketoacidosis(euDKA)
――Precautions in the use of SGLT2 inhibitors
門脇 聡
1
,
土田 由起
1
,
佐藤 淳子
1
Satoshi KADOWAKI
1
,
Yuki TSUCHIDA
1
,
Junko SATO
1
1順天堂大学大学院医学研究科 代謝内分泌内科学
キーワード:
正常血糖ケトアシドーシス(euDKA)
,
糖質制限
,
ナトリウム/グルコース共役輸送体2(SGLT2)阻害薬
Keyword:
正常血糖ケトアシドーシス(euDKA)
,
糖質制限
,
ナトリウム/グルコース共役輸送体2(SGLT2)阻害薬
pp.581-586
発行日 2024年8月24日
Published Date 2024/8/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290080581
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
ナトリウム/グルコース共役輸送体2(SGLT2)阻害薬は,血糖降下作用のほかにも体重減少や血圧低下などの作用を併せ持つ1).また心臓,腎臓などの臓器保護作用も期待できることから,近年,その処方量は増加傾向にある2-5).しかし,SGLT2阻害薬を内服している患者がインスリンを自己中断したり,感染症を併発した場合だけではなく,極端な糖質制限を行ったりした場合にも,ケトン体産生がさらに促進され,正常血糖ケトアシドーシス(euDKA)をきたすリスクが上昇する6).糖尿病食事療法の “個別化” が重要である一方で,薬物療法において適切な炭水化物摂取が欠かせない場合がある.本稿では,極端な糖質制限によりeuDKAを発症した症例報告とともに,SGLT2阻害薬を使用する際の注意点など文献学的考察を含めて紹介したい.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.