検査データを考える
糖尿病性ケトアシドーシス
小林 功
1
1群馬大学医学部臨床検査医学講座
pp.1133-1137
発行日 1999年8月1日
Published Date 1999/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903960
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はじめに
糖尿病はインスリンの作用不足により引き起こされる持続的な高血糖を主徴とし,一連の代謝異常を伴う症候群ということができる.高血糖の持続によりもたらされる臨床像は,無症状のものから口渇,多飲,多尿,体重減少などが認められる場合まで多彩である.さらに極端な場合には,糖尿病性ケトアシドーシスや高浸透圧,高血糖状態をきたし,意識障害が出現し,昏睡に至り,放置すると死亡する.
一方,代謝異常が持続すると,糖尿病に特有な合併症が出現する.糖尿病性神経障害,網膜症,腎症などがそれに相当し,進展すれば視力障害から失明,腎不全,下肢の壊疽などがしばしば認められるようになる.さらに全身の動脈硬化症などの原因になる1〜3).
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