今月の主題 糖尿病診療の実際
治療
ケトアシドーシス治療の要点
柴 輝男
1
,
梶沼 宏
1
Teruo Shiba
1
,
Hiroshi Kajinuma
1
1朝日生命成人病研究所・内分泌代謝科
pp.1016-1017
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219071
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糖尿病性ケトアシドーシスは,インスリン作用の極度の不足により,高血糖,ケトアシドーシスとなり,更に意識障害へ発展する病態である.これはインスリン注射の中断,食事の不摂生,感染症,その他種々の誘因により起こる.患者は尿糖,尿アセトン体を多量に排泄し,浸透圧利尿により電解質の喪失,高度の脱水が認められ,重篤な場合には血圧は低下し,ショック状態に陥る.したがって治療の基本は,①インスリン投与による糖代謝,脂質代謝異常などの是正,②水,電解質補給による脱水,電解質異常の是正,③感染症の予防およびケトアシドーシスの誘因の検索とその治療を含めた全身管理,の以上3点にある.
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