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連載 自己指向性免疫学の新展開――生体防御における自己認識の功罪・Vol.6
MAIT細胞による共生細菌由来代謝産物の認識とその生理的意義
Recognition of symbiotic bacteria-derived metabolites by MAIT cells and their physiological significance
柴田 健輔
1
Kensuke SHIBATA
1
1山口大学大学院医学系研究科ゲノム・機能分子解析学講座
キーワード:
細菌由来代謝産物
,
T細胞
,
免疫制御
Keyword:
細菌由来代謝産物
,
T細胞
,
免疫制御
pp.331-336
発行日 2024年7月27日
Published Date 2024/7/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290040331
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SUMMARY
Mucosal-associated invariant T(MAIT)細胞は哺乳類に広く保存された自然Tリンパ球のひとつで,ビタミンB2合成経路由来の代謝産物を認識する.ビタミンB2はわれわれの生体のエネルギー代謝に重要であり,先天的な遺伝性障害のためビタミンB2を代謝吸収できない患者は致死的となる.ビタミンB2は,生体内では合成することができないため,われわれは食することで体内に取り入れる.またビタミンB2合成経路は多くの腸内細菌にも存在し,重要な供給源である.また同経路は,MAIT細胞の活性化を介して免疫制御にも関わる.このように哺乳類は,エネルギー代謝や免疫制御において細菌に依存する進化を遂げてきたと考えられる.そこで本稿では,共生細菌によるMAIT細胞の免疫制御機構とその生体における役割について,最新の知見を紹介する.
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