検査じょうほう室 微生物 感染症検査の迅速化・8
代謝産物の検査
木下 承晧
1
1神戸大学医学部附属病院検査部
pp.1516-1518
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101279
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代謝は細胞内で起こる生化学反応で,外界環境から栄養を取り込み,エネルギーを蓄えてさまざまな代謝産物を合成し,老廃物を排出する.微生物の代謝産物の迅速検査には臨床検体を直接用いた方法と培養した培地集落を用いた方法とがある.
血液を用いた迅速検査
エンドトキシン(lipopolysaccharide,LPS)はグラム陰性(Gram-negative)菌の外膜成分であり,リピドA,コア,O多糖体から構成されており,リピドAに活性基がある.エンドトキシンは発熱を伴う全身性炎症性反応症候群(systemic inflammatory response symdrome,SIRS)などで測定され,血液培養と併用されることが多い.グラム陰性菌のリピドAはEscherichia coliでも,Pseudomonas aeruginosaでも同じであり,血液中ではエンドトキシン量として測定するため,菌種を同定することは不可能である.
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