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特集 がん微小環境の統合的解明と治療への応用
自然免疫によるがん微小環境の制御
Role of innate immunity in controlling tumor microenvironment
早川 芳弘
1
Yoshihiro HAYAKAWA
1
1富山大学和漢医薬学総合研究所生体防御学領域
キーワード:
自然免疫
,
免疫制御
,
サイトカイン
,
炎症
Keyword:
自然免疫
,
免疫制御
,
サイトカイン
,
炎症
pp.182-185
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28903182
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がんの発生,悪性化進展の過程では,免疫応答は抑制的または促進的に働く二面性を持つことが知られている.がん微小環境(TME)の制御において,自然免疫が重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある.本稿では特にナチュラルキラー(NK)細胞,樹状細胞(DC),マクロファージ,骨髄由来抑制細胞(MDSC),好中球といった自然免疫細胞の役割について,それぞれの自然免疫細胞における多様性や可塑性,機能の二面性,そしてがん病態との関連について概説する.今後,自然免疫によるTMEの制御についてより詳細に理解するため,さらには自然免疫を標的とした新たながん治療の可能性を探索するためにも,TMEにおける自然免疫細胞それぞれの機能や役割の理解に加えて,がん細胞のみならず,他の間質細胞を含めたTMEを構成する細胞間相互作用ついても理解を深化させていくことが重要である.
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