Japanese
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連載 臨床医のための微生物学講座・Vol.17
EBウイルス
Epstein-Barr virus
森内 浩幸
1
Hiroyuki MORIUCHI
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・小児科学
キーワード:
伝染性単核症(IM)
,
EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症(EBV-HLH)
,
慢性活動性EBウイルス病(CAEBV)
,
移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)
,
EBウイルス関連悪性腫瘍
Keyword:
伝染性単核症(IM)
,
EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症(EBV-HLH)
,
慢性活動性EBウイルス病(CAEBV)
,
移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)
,
EBウイルス関連悪性腫瘍
pp.186-192
発行日 2024年7月13日
Published Date 2024/7/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290020186
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◎Epstein-Barrウイルス(EBV)は感染したリンパ球を増殖させる性質を持っており,もしそれを抑制する免疫系が的確に働かないとリンパ増殖性疾患(LPD)から悪性リンパ腫をきたす.しかしその一方で,それを抑制しようとする際の免疫応答自体が免疫病態を引き起こす.初感染における反応性病態である伝染性単核症(IM)から,免疫応答が制御不能に陥る血球貪食性リンパ組織球症,宿主の免疫抑制状態(たとえば移植後)に乗じて感染B細胞が増殖するB細胞リンパ増殖性疾患,EBVがT細胞やNK細胞に感染し増殖する慢性活動性EBV病など,非常に多彩な臨床像を呈する.また,古くからEBVに関連する悪性腫瘍(Burkittリンパ腫,上咽頭癌など)も知られている.これらのEBV関連疾患の発症には地域性があり,宿主側の何らかの遺伝的背景や環境因子が発症に影響していると考えられる.
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