増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
微生物学的検査
ウイルス関連検査
EBウイルス
岡村 隆行
1
1市立堺病院小児科
pp.585-587
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223393
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検査の概要
Epstein-Barrウイルス(EBV)が関連する疾患は感染症から悪性腫瘍まで多岐にわたり,疾患に応じた検査の選択が重要である.EBVの初感染の病像の多くは,無症状あるいは伝染性単核症であるが,稀に血球貪食症候群などで発症することもある.一方,慢性感染や再活性化では,慢性活動性EBV感染症,蚊刺過敏症などのEBV関連T/NK細胞増多症,また悪性疾患関連ではリンパ腫,胃癌などに関与している.
EBVで一般的に可能な検査として,血清抗体価測定,PCRやサザンブロット法によるEBV遺伝子の検索,RT-PCR法を用いた血液や血球中に含まれるゲノム量の測定,EBER(EBV encoded small RNAs)染色を用いた組織中でのEBVの検索などが挙げられ,目的に応じて選択が必要である.なお,EBV関連T/NK細胞増多症では,EBV感染細胞がT細胞あるいはNK細胞であることの証明が必要であるが,現在のところ研究室レベルの検査であり国立成育医療研究センターや名古屋大学などの検査可能な施設に依頼する必要がある.本稿では血清抗体価を中心に概説する.
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