Japanese
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第1土曜特集 “かたちづくり” を制御する分子メカニズム
形態形成の分子メカニズム
アクトミオシンによる形態恒常性の維持機構
Regulation of morphological homeostasis by actomyosin
進藤 麻子
1
Asako SHINDO
1
1大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻
キーワード:
アクトミオシン
,
形態形成
,
細胞集団運動
,
モデル動物
,
アフリカツメガエル胚
Keyword:
アクトミオシン
,
形態形成
,
細胞集団運動
,
モデル動物
,
アフリカツメガエル胚
pp.17-21
発行日 2024年7月6日
Published Date 2024/7/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290010017
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われわれの体の中の組織や器官は複雑な形態を持ち,各器官の機能に最適な形が見事に作られている.それらの形は発生過程で細胞集団が作り出しているが,細胞たちはまるで誰かに指示されているかのように自らの形を変えながら決まった方向に動き,組織や器官の最終形を組み上げていく.どのような指令で,何が細胞を動かすのか.なぜその形態は崩されることなく最終形へたどり着き,また維持されるのか.発生生物学分野ではこのような疑問を解くべく,さまざまなモデル動物を用いた研究が行われてきた.本稿では,発生過程で細胞骨格とモータータンパク質の複合体であるアクトミオシンの細胞駆動力が関わる形態形成,形態恒常性,形態修復についてモデル動物を用いた研究を紹介する.成体では器官の機能を制御するシステムが,発生過程では形を制御することに使われている例もあげ,胚と成体の不思議なつながりについても述べる.
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