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第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
リンパ管の形成と関連する病態
リンパ管の恒常性維持機構
Lymphatic endothelial cell homeostasis
吉松 康裕
1
Yasuhiro YOSHIMATSU
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科薬理学分野
キーワード:
リンパ管内皮細胞
,
細胞間ジャンクション
,
弁
,
内皮間葉移行(EndoMT)
,
炎症性サイトカイン
Keyword:
リンパ管内皮細胞
,
細胞間ジャンクション
,
弁
,
内皮間葉移行(EndoMT)
,
炎症性サイトカイン
pp.1050-1055
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289131050
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脈管は主として血管やリンパ管によって構成され,それぞれ血液およびリンパ液を循環させる機能を持つため,体液の恒常性維持に重要な役割を果たす.よって,これら脈管の機能低下はすなわち,体液の恒常性維持機構の破綻を意味する.リンパ管においては,その発生分化および性質維持に必須の転写因子であるProx1(prospero related homeobox 1)が恒常性維持機構の中心的な役割を担う.これに加え,細胞同士を接着する細胞間ジャンクション形成およびリンパの運搬に重要な役割を果たす弁の形成に関わる遺伝子群が恒常性維持に寄与している.したがって,同時にこれらの維持機構を破綻させる遺伝子・シグナル伝達経路はリンパ管関連疾患を治療するうえで抑制すべき標的となるため,本稿では上記双方の遺伝子・シグナルについて概説する.
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