特集 宇宙医学研究の最先端
5.再生医療─重力に抗した複雑な立体臓器の構築機構
浅岡 洋一
1
,
古谷-清木 誠
2
1山口大学大学院医学系研究科ゲノム・機能分子解析学講座
2同 システムズ再生・病態医化学講座
キーワード:
細胞張力
,
アクトミオシン
,
YAP/TAZ
,
メカノホメオスターシス
Keyword:
細胞張力
,
アクトミオシン
,
YAP/TAZ
,
メカノホメオスターシス
pp.227-232
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000060
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地球上の生物を構成する個々の細胞は常に重力を含む物理的な外力にさらされているが,重力に抗した体や臓器の立体構造形成メカニズムが存在するとは想定すらされていなかった.筆者らは,メダカを用いた網羅的な変異体のスクリーニングにより,これまでの臓器形成メカニズムでは説明のつかない体の扁平化を示すhirame変異体を見出した.hirame 変異体の解析から,重力に応答して体が発生する力を制御し立体的な形態形成を生み出す機構が存在することが初めて明らかとなり,この過程は転写共役因子YAP が司ることが判明した.遺伝子・タンパク質・細胞の挙動・組織・臓器・個体の多階層レベルでYAP がどのようにして働き,立体的な臓器と体の形成に至るのかについて概説する.
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