特集 "多才"なマクロファージと疾患との関わり
発がんにおける腫瘍随伴マクロファージの役割
大島 正伸
1
1金沢大学がん進展制御研究所 腫瘍遺伝学研究分野
キーワード:
Macrophage Colony-Stimulating Factor
,
炎症
,
疾患モデル(動物)
,
腫瘍
,
腫瘍過程
,
分類
,
トランスジェニックマウス
,
マクロファージ
,
免疫寛容
,
腫瘍悪性度
,
腫瘍微小環境
Keyword:
Disease Models, Animal
,
Classification
,
Immune Tolerance
,
Macrophages
,
Inflammation
,
Neoplastic Processes
,
Mice, Transgenic
,
Neoplasms
,
Macrophage Colony-Stimulating Factor
,
Tumor Microenvironment
,
Neoplasm Grading
pp.1237-1241
発行日 2012年10月22日
Published Date 2012/10/22
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多くの固形がん組織にはマクロファージ浸潤が認められ,それらは腫瘍随伴マクロファージ(TAM)と呼ばれる.TAMは,多様な機能によりがんの発生や悪性化の促進に作用することが次第に明らかにされており,異物を貪食して排除する炎症反応時に浸潤するマクロファージとは性質が異なっていると考えられている.最近では,TAMによる腫瘍免疫の抑制が抗がん剤による治療効果を下げていることなども示されており,がん組織へのTAMの浸潤や活性化の分子機序およびその役割を理解することは,将来のがん治療戦略を考えるうえでも重要な研究課題である.
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