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第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
死細胞の行方
マクロファージによる死細胞貪食とその意義
Phagocytosis of dead cells by macrophages and its impact on homeostasis
浅野 謙一
1
Kenichi ASANO
1
1東京薬科大学生命科学部免疫制御学研究室
キーワード:
マクロファージ
,
貪食
,
自己認識
Keyword:
マクロファージ
,
貪食
,
自己認識
pp.385-388
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305385
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われわれの体の中では毎日大量の細胞が死を迎え,新しい細胞で置き換えられている.死細胞からは核酸などの有害な免疫賦活物質が流出する危険があるため,周囲のマクロファージによって速やかに処理されている.死細胞には寛容を維持すべきアポトーシス細胞と,積極的に排除すべきウイルス感染細胞やがん細胞が混在している.近年,マクロファージは単純に生死を識別して死細胞を貪食するだけでなく,死の様式に応じて適切な免疫応答を惹起していることがわかってきた.本稿では,マクロファージによる死細胞認識とそれに引き続くさまざまな免疫応答が,免疫寛容の誘導やがん免疫の活性化を介して生体の恒常性維持に関与することを,筆者らの研究成果を交えて紹介する.
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