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特集 脂質多様性の生物学と疾患制御
脂質多様性の解明や定量化を可能にする最先端リピドミクス技術
Cutting edge lipidomics for understanding lipid diversity
竹田 浩章
1,2
,
和泉 自泰
3
,
馬場 健史
3
Hiroaki TAKEDA
1,2
,
Yoshihiro IZUMI
3
,
Takeshi BAMBA
3
1東京農工大学大学院工学研究院
2理化学研究所脳神経科学研究センター
3九州大学生体防御医学研究所
キーワード:
リピドミクス
,
超臨界流体クロマトグラフィー
,
質量分析
,
電子励起解離
Keyword:
リピドミクス
,
超臨界流体クロマトグラフィー
,
質量分析
,
電子励起解離
pp.796-802
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289110796
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炭水化物やタンパク質と並ぶ三大栄養素である脂質には,化学的構造の違いによって膨大な種類が存在し,こうした脂質の総体を網羅的に分析することをリピドミクスとよぶ.質量分析計はイオン化された化合物を高感度で検出できる装置であるが,特にエレクトロスプレーイオン化法では,質量分析計に同時に導入されるイオン性物質がイオン化の抑制を引き起こすことがあるため,脂質の化学的構造に依存するイオン化効率を補正しつつ,イオン化抑制の原因となる成分をクロマトグラフィーにより分離しなければならない.また,脂質の構造には構成脂肪酸の組み合わせや骨格への結合位置,さらには脂肪酸に含まれる二重結合位置など,数多くの構造異性体が存在する.本稿では,こうした脂質多様性の識別と個々の定量化を実現するための最先端のリピドミクス技術について解説する.
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