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連載 臨床医のための微生物学講座・Vol.14
インフルエンザウイルス
Influenza virus
迫田 義博
1
Yoshihiro SAKODA
1
1北海道大学大学院獣医学研究院微生物学教室
キーワード:
遺伝子再集合
,
インフルエンザウイルス
,
抗原変異
,
呼吸器感染症
,
人獣共通感染症
Keyword:
遺伝子再集合
,
インフルエンザウイルス
,
抗原変異
,
呼吸器感染症
,
人獣共通感染症
pp.766-770
発行日 2024年6月8日
Published Date 2024/6/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289100766
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◎インフルエンザウイルスはヒトや動物に主に呼吸器感染症を引き起こすRNAウイルスである.ウイルスはA型からD型に分類され,ヒトに感染するのはA型,B型,およびC型ウイルスである.近年D型インフルエンザウイルスが発見され,ウシとブタからウイルスが分離されている.A型インフルエンザウイルスはヒト以外の哺乳動物や鳥に感染し,人獣共通感染症の病原体としても重要である.ウイルスタンパク質上のアミノ酸の点変異に加え,ウイルスの遺伝子の一部が動物由来のインフルエンザウイルスのそれに置き換わる,いわゆる遺伝子再集合により抗原性の異なる新しいウイルスが出現し,パンデミックを引き起こす.動物においては,鳥,ブタ,ウマ,イヌなどを宿主として感染を繰り返し,そのウイルスはヒトへの感染も報告されている.特に鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染は次のパンデミックの候補のひとつとして監視が強化されている.感染の中心であるA型およびB型インフルエンザウイルスの検出には抗原検出キットや遺伝子診断が用いられる.また,感染に対する治療には抗インフルエンザ薬,予防にはワクチンが有効である.
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