今月の主題 インフルエンザ診療のブレークスルー
総説
ゲノム解析からみたインフルエンザウイルス遺伝子の変異と流行―遺伝子変異に着目して
信澤 枝里
1
Eri NOBUSAWA
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科感染微生物学分野
キーワード:
インフルエンザウイルス
,
ゲノム解析
,
遺伝子再集合
Keyword:
インフルエンザウイルス
,
ゲノム解析
,
遺伝子再集合
pp.28-34
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101490
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インフルエンザウイルスは,変異が著しいウイルスとして知られている.ウイルスの抗原性が変化すると,ヒトが保有する既存の抗体による感染防御が成立しないため,その抗原変異ウイルスは,ヒトの間で流行する.この抗原性の変化は,ウイルスの主要抗原であるHA上にアミノ酸変異が生じて起きる.一方,HA以外の遺伝子がウイルス間で頻繁に交換され,ウイルスが多様な遺伝子の組み合わせのセットを持つことが,最近報告されている.このような遺伝子再集合は,より環境に適応したウイルスの出現を可能にし,インフルエンザウイルスの制圧をさらに難しくしている.
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