特集 新型ウイルスの最新情報と対応
新型インフルエンザウイルスの出現
迫田 義博
1
1北海道大学大学院獣医学研究院微生物学教室教授
キーワード:
インフルエンザウイルス
,
鳥
,
ブタ
,
ヒト
,
遺伝子再集合
Keyword:
インフルエンザウイルス
,
鳥
,
ブタ
,
ヒト
,
遺伝子再集合
pp.37-41
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.01_0037-0041
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インフルエンザは,インフルエンザウイルスの感染によって起こるヒトと動物の呼吸器感染症である。ヒトにはA型,B型およびC型インフルエンザウイルスが,動物にはA型インフルエンザウイルスが主に感染する。A型インフルエンザウイルスは,その表面糖蛋白のヘマグルチニン(HA)およびノイラミニダーゼの抗原性に基づき,H1からH16およびN1からN9の亜型に分類される1)。これに加え,近年,コウモリからH17N10,H18N11亜型ウイルスも発見されている。ヒトでは現在,H1N1およびH3N2亜型のウイルスが流行している(図1)。ヒトの世界に新しい亜型のインフルエンザウイルスが定着すると,世界的流行(パンデミック)を引き起こすことになり,社会生活に影響を及ぼす。近年,鳥インフルエンザウイルスや豚インフルエンザウイルスのヒトへの感染が多数報告されており,対策が急がれている。また,世界保健機関(WHO)や国際獣疫事務局(OIE)もOne Health実現の具体的な例として,人獣共通感染症としてのインフルエンザウイルスを問題に挙げている。本稿では,新型インフルエンザウイルスの候補である動物インフルエンザウイルスに関する最新情報とその対策について解説したい。「KEY WORDS」インフルエンザウイルス,鳥,ブタ,ヒト,遺伝子再集合
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