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特集 骨格筋の再生・維持・適応メカニズムの新知見――最先端研究がもたらしたパラダイムシフト
幹細胞ニッシェを中心とした骨格筋幹細胞の制御機構
The muscle stem cell niche:regulation of muscle stem cells in health and aging
辻 諒介
1
,
藤田 諒
1
Ryosuke TSUJI
1
,
Ryo FUJITA
1
1筑波大学医学医療系トランスボーダー医学研究センター
キーワード:
骨格筋幹細胞
,
幹細胞微小環境(幹細胞ニッシェ)
,
筋再生
,
サルコペニア
,
加齢変容
Keyword:
骨格筋幹細胞
,
幹細胞微小環境(幹細胞ニッシェ)
,
筋再生
,
サルコペニア
,
加齢変容
pp.726-730
発行日 2024年6月8日
Published Date 2024/6/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289100726
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骨格筋には再生能力と適応能力が備わっている.特に再生能力は骨格筋組織に常在する骨格筋幹細胞(別名:筋サテライト細胞)に依存しており,骨格筋幹細胞なしでは筋再生はまったく起こらないことが知られている.さらに,骨格筋幹細胞は筋変性を伴わないような筋肥大刺激応答に対してもその重要性が報告されている.また,骨格筋幹細胞は神経筋接合部を保護する役割などの観点から,筋恒常性維持にも貢献する.このように骨格筋の再生,適応,恒常性維持に関与する骨格筋幹細胞であるが,加齢を含む慢性的な疾患により,数や機能の異常が誘発されることが知られている.そのため,超高齢社会に突入したわが国において “サルコペニア” を含む運動器疾患の問題が顕在化するなか,骨格筋幹細胞の制御機構の解明は急務である.本稿では,骨格筋幹細胞の制御機構として幹細胞微小環境(幹細胞ニッシェ)を中心に最新の知見を加えながら説明し,最後に加齢に伴う骨格筋幹細胞の変容について記述する.
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