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特集 骨格筋の再生・維持・適応メカニズムの新知見――最先端研究がもたらしたパラダイムシフト
間葉系間質細胞による筋維持機構
Mechanism of muscle maintenance by mesenchymal stromal cells
上住 円
1
,
上住 聡芳
1
Madoka IKEMOTO-UEZUMI
1
,
Akiyoshi UEZUMI
1
1九州大学生体防御医学研究所細胞不均一性学分野
キーワード:
間葉系間質細胞
,
筋再生
,
制御機構
Keyword:
間葉系間質細胞
,
筋再生
,
制御機構
pp.736-739
発行日 2024年6月8日
Published Date 2024/6/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289100736
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骨格筋は成人体重の3~4割を占める人体最大の臓器であり,収縮することにより運動や身体活動をつかさどるだけでなく,皮膚の直下に位置し内臓器を保護する役割も担っている.こうした特性から骨格筋は最も物理的負荷に曝されやすい臓器といえ,そのため,損傷を受けても速やかに再生する能力を有している.筋再生は筋衛星細胞とよばれる筋系譜の幹細胞が担っており,筋衛星細胞が新しく筋線維を形成することで骨格筋は再生する.筋衛星細胞は成体において筋線維を生み出すことができる唯一の細胞であり,筋再生で中心的役割を果たすが,正常な筋再生には筋衛星細胞以外の細胞の協調も必要である.なかでも,間葉系間質細胞は筋再生を間接的に制御する非筋細胞の代表である.さらに,非損傷時の筋組織の維持において,間葉系間質細胞は筋衛星細胞以上に重要な役割を果たしている可能性が示されてきている.本稿では,この間葉系間質細胞に焦点を当て,その重要性について紹介する.
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