Japanese
English
特集 便秘を科学する
腸内細菌叢の力
-――慢性便秘症を解き明かす
The power of gut microbiota
――Unraveling chronic constipation
内藤 裕二
1
,
髙木 智久
2,3
Yuji NAITO
1
,
Tomohisa TAKAGI
2,3
1京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学
2同消化器内科学
3同医療フロンティア展開学
キーワード:
16S rRNAメタゲノム
,
粘膜関連細菌叢(MAM)
,
糞便移植
,
食-腸内細菌連関
,
プロバイオティクス
Keyword:
16S rRNAメタゲノム
,
粘膜関連細菌叢(MAM)
,
糞便移植
,
食-腸内細菌連関
,
プロバイオティクス
pp.558-563
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289080558
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日本人の腸内細菌叢には明らかな年齢差,性差があり,慢性便秘症への関わりにおいても同様である.粘膜関連細菌叢(MAM),代謝物の解析情報は,より腸管上皮近傍の環境を推定できる可能性もある.糞便移植実験による解析では,腸内細菌代謝物として酪酸などの短鎖脂肪酸と二次胆汁酸が慢性便秘症の病態に関与していることが明らかにされた.京丹後地域高齢者の解析では,便秘症の病態に酪酸産生菌の低下,食物繊維摂取不足が関与する可能性が示された.慢性便秘症に対するプロバイオティクス,プレバイオティクス,シンバイオティクスの有効性が臨床試験により多数報告されているが,わが国における知見は限定的である.
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