消化管ポリポーシス-診断と治療の進歩
消化管ポリポーシスに対する外科治療
小倉 俊郎
1
,
近 範泰
,
傍島 潤
,
石畝 亨
,
福地 稔
,
熊谷 洋一
,
石橋 敬一郎
,
持木 彫人
,
石田 秀行
1埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科
キーワード:
Peutz-Jeghers症候群
,
大腸ポリポーシス-腺腫様
,
十二指腸腫瘍
,
大腸腫瘍
,
回腸嚢肛門吻合術
,
mutY Adenine Glycosylase
,
回腸直腸吻合術
,
予防的手術
Keyword:
Duodenal Neoplasms
,
Peutz-Jeghers Syndrome
,
Adenomatous Polyposis Coli
,
Colorectal Neoplasms
,
Proctocolectomy, Restorative
,
Prophylactic Surgical Procedures
,
MutY Adenine Glycosylase
pp.313-319
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016299287
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消化管ポリポーシスの代表的疾患である家族性大腸腺腫症(FAP)の大腸癌浸透率はほぼ100%であり,20代までに予防的大腸切除が必要となる.大腸癌の確実な予防とともに,排便機能や整容性,年齢,妊孕性,各術式の合併症,そして術後サーベイランスの頻度といった個々の症例を踏まえた術式選択が必要である.また,十二指腸癌はFAPにおけるおもな死因の一つであり,十二指腸病変の制御が重要となる.治療方針の指標にはSpigelman分類が用いられ,病期IV以上は治療対象とする.膵内外分泌機能低下,脂肪肝炎や胆管炎といった長期的合併症の軽減が期待される膵温存全十二指腸切除術は,Spigelman分類病期IVのFAP患者において一つの治療選択枝となる.
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