Japanese
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TOPICS 循環器内科学
周産期心筋症の発症予防因子ZFP36L2
Preventive role of ZFP36L2 in peripartum cardiomyopathy
神津 英至
1
Hidemichi KOUZU
1
1札幌医科大学医学部循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座
pp.520-521
発行日 2024年5月18日
Published Date 2024/5/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289070520
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妊娠は代謝需要の増加や血行動態の変化を介して,心臓にさまざまな生理的変化をもたらす1).周産期心筋症(peripartum cardiomyopathy:PPCM)は,妊娠後期から産後5カ月までに急激な心機能低下によって発症する心筋症であり,未治療の場合は時に致死的である2).近年,その分子機序として,脳下垂体および胎盤から分泌されるプロラクチン,可溶型fms-like tyrosine kinase-1(sFlt-1),アクチビンA,プロゲステロン,リラキシンといった各種妊娠関連ホルモンの作用不均衡を介して,母体の心臓に血管内皮障害および心筋細胞障害が生じるという病態モデルが提唱されているが2),特異的な治療法はいまだ確立していない.PPCMの動物モデルがきわめて限られていることが,本疾患の病態解明を妨げている3).
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