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第1土曜特集 MASLD/MASH――研究と診療の最新情報
治療方法
アプリを用いたMASH治療の可能性
The potential of smartphone app in the treatment of MASH
佐藤 雅哉
1
Masaya SATO
1
1東京大学医学部附属病院検査部,同消化器内科
キーワード:
治療用アプリ
,
デジタルセラピューティクス(DTx)
Keyword:
治療用アプリ
,
デジタルセラピューティクス(DTx)
pp.410-415
発行日 2024年5月4日
Published Date 2024/5/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28905410
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2020年,わが国において初の保険適用を受けた治療用アプリ “CureApp SCニコチン依存症治療アプリおよびCOチェッカー” は,デジタルセラピューティクス(DTx)の新時代を象徴している.本分野では糖尿病,注意欠如・多動性障害(ADHD),アルコール依存症など,さまざまな疾患に対する治療用アプリの臨床試験が各国で行われている.Metabolic dysfunction-associated steatohepatitis(MASH)治療では現状,確立された治療法は存在せず,栄養療法や運動療法,認知行動療法による減量が推奨されている.しかし,これらの治療法は栄養士やカウンセラーなどの専門職による管理が必要であり,約200万人と推定されるMASH患者に対応することは困難と考えられ,また通院と通院の間の期間は医療機関がフォローできない空白期間となるという問題がある.この課題に対処するため,CureApp社と共同で開発したNASH Appは,探索的臨床試験(第Ⅱ相試験)において,MASH患者の体重減少および組織学的な改善が示された.DTxはMASHに対する有望な新規治療法となる可能性があり,今後,MASHに対する新医療機器としての薬事承認を目指す治験(第Ⅲ相試験)を実施する予定である.
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