特集 データヘルスで変わる病院
データヘルスの潮流——海外の事例から
ドイツの治療用アプリ政策から考える日本の課題
川崎 真規
1
1株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 ヘルスケア・事業創造グループ
キーワード:
SaMD
,
治療用アプリ
,
開発促進
,
産業強化
,
薬事・保険制度改革
Keyword:
SaMD
,
治療用アプリ
,
開発促進
,
産業強化
,
薬事・保険制度改革
pp.707-709
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211494
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わが国では,2014年11月に薬事法が改正され,薬機法(医薬品医療機器等法)1)が施行され,従来から薬事規制の対象であったハードウェアに組み込まれたプログラムに加え,単体のプログラムやプログラムを記録した記憶媒体が規制対象となった.これにより,疾病の診断・治療・予防に貢献する医療機器プログラム注1(SaMD:Software as a Medical Device)の承認が,わが国で進むものと期待された.
しかし,上記から6年以上経過した現在,残念ながら,わが国において「SaMDラグ」が生じている.これは,2020年10月の政府会議において,株式会社MICIN桐山瑤子医師が,AIやMachine Learningで開発されたSaMDの日米承認品目数の比較に基づき,日本の承認品目数の少なさを示し指摘したものである2).そして,当該会議に出席していた河野太郎大臣は,「世界で高齢化がこれだけ進んでいる国はほかにないと言われている日本が,本来こういう分野で先進的な商品を出して,世界をリードしていかなければいけない」と言及した2).
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