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特集 ウェアラブルデバイスと未来の医療
ウェアラブルデバイスから得られるデジタルバイオマーカーの医薬品開発への活用
Utilization of digital biomarkers obtained from wearable devices for drug development
杉谷 康雄
1,2
,
山本 英晴
1
Yasuo SUGITANI
1,2
,
Hideharu YAMAMOTO
1
1中外製薬株式会社バイオメトリクス部
2同デジタル戦略推進部
キーワード:
医薬品開発
,
ウェアラブルデバイス
,
デジタルバイオマーカー(dBM)
,
デジタルセラピューティクス(DTx)
Keyword:
医薬品開発
,
ウェアラブルデバイス
,
デジタルバイオマーカー(dBM)
,
デジタルセラピューティクス(DTx)
pp.1083-1088
発行日 2022年9月17日
Published Date 2022/9/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu282121083
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近年,医薬品開発において患者自身が持つ情報を重視する患者中心主義の流れが進んでおり,ウェアラブルデバイスから得られるデジタルバイオマーカー(dBM)も患者から直接的に得られた情報として医薬品開発に活用されはじめている.臨床的な妥当性を示す必要があるなど,医薬品開発への活用に課題もあるものの,時間的な連続性,定量性,客観性があることは意義があり,これまでとは異なる視点から医薬品の価値を評価できる可能性がある.すでにさまざまな疾患を評価するためにdBMの活用が各製薬企業によって検討されており,規制当局との議論も進められている.また,リアルタイムに得た患者の生体データに基づく対応が可能になることから実医療における医薬品の効果の改善も期待され,さらにデジタルセラピューティクス(DTx)のような直接的に治療するデバイスも出始めている.より技術が進んだ将来には,ウェアラブルデバイスの治療効果が上乗せされることで医薬品の効果だけでは得られなかったより細かいアンメットニーズを解決することが期待されるであろう.
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