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第1土曜特集 1細胞解析――技術と応用
技術
1細胞トランスクリプトームデータの解析技術
Data analysis of single-cell transcriptome
二階堂 愛
1
Itoshi NIKAIDO
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所,理化学研究所生命機能科学研究センター
キーワード:
1細胞トランスクリプトーム
,
1細胞RNAシークエンス(scRNA-seq)
,
バイオインフォマティクス
Keyword:
1細胞トランスクリプトーム
,
1細胞RNAシークエンス(scRNA-seq)
,
バイオインフォマティクス
pp.961-966
発行日 2021年3月6日
Published Date 2021/3/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27610961
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本稿では1細胞トランスクリプトームデータの基礎的な流れについて解説する.1細胞トランスクリプトーム解析はゲノムデータ解析と同様に大きく2つのステップからなる.ひとつはシーケンサーが出力するデータ(fastq,bclなど)から遺伝子×細胞の遺伝子発現量の数値データ,いわゆる行列に変換するステップである.これは遺伝子発現量行列とよばれる.2つめのステップでは,この行列に情報科学的な手法を適用し生物学的な知識を取りだす.便宜的に前者を一次解析,後者を二次解析(高次解析)とよぶことがある(図1).一次解析では実験プロトコールごとにほぼ手順が定型化されている.そのため計算環境な構築や維持など運用面が重要になる.一方,二次解析は研究の生物学的な目的に応じて,解析戦略やツール,手法などが異なり多様である.そのため画一化は困難であり,解析者のスキルと生物学的な知識が問われる.このような背景を踏まえて,本稿では,一次解析で必要とされる情報解析基盤技術と二次解析で利用される代表的な手法について述べる.
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