Japanese
English
特集 活性酸素と酸化ストレス
自閉スペクトラム症における酸化ストレス
Oxidative stress in ASD
松﨑 秀夫
1
,
臼井 紀好
1,2
Hideo MATSUZAKI
1
,
Noriyoshi USUI
1,2
1福井大学子どものこころの発達研究センター脳機能発達研究部門
2大阪大学大学院医学系研究科医学専攻解剖学講座(神経細胞生物学)
キーワード:
自閉スペクトラム症(ASD)
,
グルタチオン(GSH)
,
活性酸素(ROS)
,
抗酸化物質
,
ミトコンドリア
Keyword:
自閉スペクトラム症(ASD)
,
グルタチオン(GSH)
,
活性酸素(ROS)
,
抗酸化物質
,
ミトコンドリア
pp.260-262
発行日 2024年4月27日
Published Date 2024/4/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28904260
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自閉スペクトラム症(ASD)は,社会的コミュニケーションの障害,限局された興味と行動,知覚過敏・鈍麻を臨床的特徴とする神経発達症のひとつである.近年のASD研究では,酸化ストレスあるいはその変化を示唆するエネルギー代謝の所見が提示され,臨床応用が検討されてきた.これまでの研究成果によれば,ASDにおける酸化ストレスの予防と治療は,ASDの発症と児の健康リスクの予防に有効な可能性がある.しかし,ASDの神経基盤は大部分が未解明であり,ASDと酸化ストレスの関連を問うアプローチによるメカニズムの解明は,まだ緒に就いたばかりである.ASDにおける酸化ストレスを標的とした介入研究は,ASDの生物学的メカニズムの解明や診療手段の開発において,今後も重要な位置を占めるものと推測される.
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