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特集 オキシトシンの向精神作用と精神疾患治療応用への展望
オキシトシン経鼻投与の応用による自閉スペクトラム症中核症状治療薬の開発
Development of therapeutic for the core symptom of autism spectrum disorder by applying intranasal oxytocin
山末 英典
1
Hidenori YAMASUE
1
1浜松医科大学医学部精神医学講座
キーワード:
オキシトシン(OXT)
,
自閉スペクトラム症(ASD)
,
社会行動
,
神経ペプチド
,
発達障害
Keyword:
オキシトシン(OXT)
,
自閉スペクトラム症(ASD)
,
社会行動
,
神経ペプチド
,
発達障害
pp.149-152
発行日 2023年7月8日
Published Date 2023/7/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28602149
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自閉スペクトラム症(ASD)の中核症状で,表情や視線,声色あるいは言語を介して他者と双方向に交流することの障害である社会的コミュニケーションの障害に対する有効な治療法は確立されていない.筆者らは,愛着形成や社会行動の促進に作用するオキシトシン(OXT)の投与によって,ASD中核症状に対する初の治療薬の開発を試みてきた.中核症状そのものの臨床評価に加えて,その特徴を反映する心理課題や課題遂行中の脳機能測定,そして対人場面における表情や声の特徴を客観的・定量的に評価することで,OXT経鼻剤のASD中核症状に対する有効性,およびその神経生物学的メカニズムを示してきた.また動物実験や血中分子測定を組み合わせることでも,OXTの治療効果発現機序についての知見を示してきた.本稿ではこれらの研究成果について概観し,今後の臨床応用に向けた課題を整理した.
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