Japanese
English
特集 活性酸素と酸化ストレス
糖尿病と酸化ストレス
Oxidative stress in diabetes
奥野 陽亮
1
,
下村 伊一郎
1
Yosuke OKUNO
1
,
Iichiro SHIMOMURA
1
1大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学
キーワード:
インスリン分泌
,
インスリン抵抗性
,
糖尿病合併症
,
抗酸化物質
Keyword:
インスリン分泌
,
インスリン抵抗性
,
糖尿病合併症
,
抗酸化物質
pp.257-259
発行日 2024年4月27日
Published Date 2024/4/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28904257
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糖尿病は,主にインスリンによる血糖調節作用が破綻し,高血糖が持続する病態である.糖尿病は脳梗塞や心筋梗塞の強力なリスクファクターであると同時に,細小血管を傷害し,失明,透析,壊疽などの主要な原因疾患である.また,世界的にみても患者数は増加の一途をたどっており,その克服は重要な医学的課題である.高血糖はミトコンドリアにおける電子伝達系を活性化し,活性酸素を産生させることによりさまざまな組織において酸化ストレスを惹起する.膵β細胞においてはインスリン分泌を障害し,脂肪組織や骨格筋などの糖取り込み臓器においてはインスリン抵抗性を誘導する.また,血管内皮細胞や網膜細胞では糖尿病細小血管障害や大血管障害に寄与する.一方,抗酸化物質を全身投与する臨床試験は有効性が示されておらず,細胞内酸化ストレスを効率的に除去する新たな手法の開発が望まれている.
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