Japanese
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特集 活性酸素と酸化ストレス
肝臓がんと酸化ストレス
Liver cancer and oxidative stress
仁科 惣治
1
Sohji NISHINA
1
1川崎医科大学消化器内科学
キーワード:
肝臓がん
,
活性酸素(ROS)
,
酸化ストレス
,
鉄
Keyword:
肝臓がん
,
活性酸素(ROS)
,
酸化ストレス
,
鉄
pp.250-252
発行日 2024年4月27日
Published Date 2024/4/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28904250
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生体内ではたえず低濃度の活性酸素(ROS)が産生されているが,特に肝臓は脂肪酸代謝の際などにより多量のROSが産生されやすい臓器である.肝臓における酸化ストレスは炎症反応および細胞障害の促進につながる.酸化ストレスはB型・C型慢性肝炎,アルコール性肝障害(ALD),代謝関連脂肪性肝疾患(MASH),ヘモクロマトーシスなどの慢性肝疾患において,肝線維化進展あるいは肝発がんに重要な役割を果たす.肝発がんの一因としての酸化ストレスの影響が非常に大きいことは議論の余地がないが,一概に酸化ストレスといってもその根底にある病態機序は非常に複雑である.そのため,酸化ストレスを標的とした肝発がん対策を講じるうえで,それぞれの背景肝疾患や酸化ストレス増強因子の存在を把握しておくことが重要であると考える.
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