Japanese
English
TOPICS 呼吸器内科学
中皮腫における薬物治療の現況と今後の展望
Treatment of asbestos-related diseases:the current status and future perspectives of systemic treatment for mesothelioma
武口 哲也
1
,
藤本 伸一
2
Tetsuya TAKEGUCHI
1
,
Nobukazu FUJIMOTO
2
1岡山労災病院呼吸器内科
2腫瘍内科
pp.207-208
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28903207
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石綿と中皮腫
石綿(アスベスト)関連疾患には中皮腫や肺癌,良性石綿胸水,びまん性胸膜肥厚などがあるが,そのなかでも中皮腫は治療方法が限られており,予後も不良な疾患である.中皮腫は胸膜,腹膜,心膜,精巣鞘膜の中皮細胞から発生する悪性腫瘍であり,胸膜が80~85%,腹膜が10~15%,その他が1%以下とされる.中皮腫の約80%において何らかの石綿曝露との関連が明らかになっているが1),明らかな石綿曝露歴がなくとも発症している報告2)や,遺伝的な素因も明らかになってきている.厚生労働省の発表3)では令和4年の中皮腫による死亡者数は1,554名で令和3年の1,635名よりも減少しているものの,1995年の500人からは年々増加傾向であること,日本における発生ピークは2030年頃とされていることから,今後も患者数が増加することが予想され,さらなる治療開発が望まれている.
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