Japanese
English
第1土曜特集 膠原病のすべて
膠原病の病態解明
ゲノムワイド関連解析による自己免疫疾患の遺伝素因の解明
Elucidation of the genetic basis of autoimmune diseases by genome wide association analysis
西野 貴大
1
,
石垣 和慶
1
Takahiro NISHINO
1
,
Kazuyoshi ISHIGAKI
1
1理化学研究所生命医科学研究センターヒト免疫遺伝研究チーム
キーワード:
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
自己免疫疾患
,
“ありふれた” 多型(common variants)
Keyword:
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
自己免疫疾患
,
“ありふれた” 多型(common variants)
pp.353-359
発行日 2024年2月3日
Published Date 2024/2/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28805353
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
ゲノムワイド関連解析(GWAS)によって,自己免疫疾患の遺伝素因が明らかにされてきた.GWASでは事前に候補遺伝子の仮説を必要とすることなく,ゲノム全体でvariantsと表現型の関連性を網羅的に探索するため,免疫学・病態生理学に基づく事前知識から疾患との関連が予想された遺伝子座のみならず,これまで疾患との関連が着目されていなかった遺伝子座に存在する “ありふれた” 多型(common variants)との関連がGWASによって多数見出された.本稿では,common variantsを中心にいくつかの自己免疫疾患〔関節リウマチ(RA),全身性エリテマトーデス(SLE),全身性強皮症(SSc),抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎,ベーチェット病(BD),高安動脈炎(TAK)〕の成果を紹介する.また,GWASが自己免疫疾患の遺伝素因の解明に大きく貢献できた理由と,GWASの限界と課題について解説する.そして,GWASの結果を解釈するうえで重要な役割を果たす機能ゲノム学についても触れる.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.