Japanese
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連載 脳神経外科と数理学
(6)脳神経外科領域におけるゲノムワイド関連解析(GWAS)
(6)Genome-Wide Association Study in Neurological Disorders
白井 雄也
1,2
,
岡田 随象
1,3
Yuya SHIRAI
1,2
,
Yukinori OKADA
1,3
1大阪大学大学院医学系研究科遺伝統計学
2大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学
3大阪大学免疫学フロンティア研究センター免疫統計学
1Department of Statistical Genetics, Graduate School of Medicine, Osaka University
2Department of Respiratory Medicine and Clinical Immunology, Graduate School of Medicine, Osaka University
3Laboratory of Statistical Immunology, Immunology Frontier Research Center(IFReC), Osaka University
キーワード:
genome-wide association study
,
GWAS
,
glioma
,
stroke
Keyword:
genome-wide association study
,
GWAS
,
glioma
,
stroke
pp.561-570
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204228
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Ⅰ.はじめに
ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study:GWAS)は,バリアントと形質の関連をゲノム全体で網羅的に調べる解析法であり,多くの疾患に関連するバリアントが報告されている.近年では,国際コンソーシアムやバイオバンクの台頭に伴い,100万人以上のGWASが施行されており,主要な結果は公共の財産としてデータベース化されている(GWAS catalog)12).また,GWAS結果を活用した解析法により,疾患にかかわる細胞・組織の同定,疾患同士の関連の評価,疾患に影響するバイオマーカーの探索,他疾患からの「ドラッグ・リポジショニング」などの幅広い応用が可能となっている.
本稿では,遺伝統計学の基礎となるGWASについて基本的な手法の説明を行い,次に脳神経外科領域での解析例,そして最後に,複数のGWAS結果を統合した解析手法について紹介する.
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