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第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学と疾患オミクス研究
整形外科疾患で最も注目される変形性関節症の大規模ゲノム解析
Large-scale genome analysis of osteoarthritis, the most notable orthopedic disease
出口 剛士
1,2
,
岡田 随象
2,3,4
Tsuyoshi DEGUCHI
1,2
,
Yukinori OKADA
2,3,4
1和歌山県立医科大学医学部整形外科学講座
2東京大学大学院医学系研究科遺伝情報学
3大阪大学大学院医学系研究科遺伝統計学
4理化学研究所IMSシステム遺伝学チーム
キーワード:
変形性関節症(OA)
,
大規模ゲノム解析
,
ゲノムワイド関連研究(GWAS)
,
シングルセルRNA解析(scRNA-seq)
Keyword:
変形性関節症(OA)
,
大規模ゲノム解析
,
ゲノムワイド関連研究(GWAS)
,
シングルセルRNA解析(scRNA-seq)
pp.1104-1110
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131104
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変形性関節症(OA)は整形外科では圧倒的に多く遭遇する疾患ではあるが,その詳細ははっきり解明されておらず,対症療法でしか日常診療では行えない事実を踏まえ,全世界的に病態解明が行われている.最近までは軟骨消失が病態の原因とされていたが,OAは生まれながらの遺伝子異常からなる骨軟骨関節形成不全からはじまり,さまざまなシグナル経路の異常など,小さな遺伝子変異の結果,表現型としてみられる多因子疾患である.ゲノム研究によるOA病態へのさまざまなアプローチから,これまでいわれてきた軟骨病変とは異なり,軟骨下骨病変からなる骨の病変の結果ということが明らかになってきた.本稿では近年用いられているアプローチ手法を踏まえつつ,OAの現在の知見を解説する.
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