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第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学と疾患オミクス研究
眼科疾患における大規模ゲノム解析
Large-scale genomic analysis for ophthalmological disease
布施 昇男
1
Nobuo FUSE
1
1東北大学東北メディカル・メガバンク機構ゲノム解析部門,東北大学病院眼科
キーワード:
眼科形質
,
多因子疾患
,
多遺伝子リスクスコア(PRS)
,
遺伝性網膜ジストロフィ(IRD)
,
遺伝子治療
Keyword:
眼科形質
,
多因子疾患
,
多遺伝子リスクスコア(PRS)
,
遺伝性網膜ジストロフィ(IRD)
,
遺伝子治療
pp.1090-1095
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131090
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眼科領域の遺伝子解析は,1990年に網膜色素変性の原因遺伝子解析からはじまり,単一遺伝子疾患や遺伝子変異(mutation)から多因子疾患に関連する遺伝子多型(variation)へと移行してきた.1990年代は,主に網膜色素変性を中心とする遺伝性網膜ジストロフィ(IRD)の原因遺伝子のマッピングと同定が連鎖解析と候補遺伝子解析によって盛んに行われた.今世紀に入り,遺伝子多型のデータベースは急速に充実した.その遺伝子多型を用いたゲノムワイド関連解析(GWAS)により,疾患に関連する遺伝子多型を検出することが可能となり,2005年ごろより眼科領域への応用がはじまっている.特に多因子疾患の加齢黄斑変性,緑内障の分野でその成果は著しい.また,IRDのいくつかに対しては遺伝子治療が試験的に行われていたが,最近,遺伝子パネル検査システムや遺伝子治療薬が承認され,新たな局面を迎えている.
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