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第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学と疾患オミクス研究
痛風・高尿酸血症の大規模ゲノム解析
Recent advances in the genetics of gout and hyperuricemia
豊田 優
1
,
竹花 奈々
1
,
三浦 美千瑠
1
,
松尾 洋孝
1
Yu TOYODA
1
,
Nana TAKEHANA
1
,
Michiru MIURA
1
,
Hirotaka MATSUO
1
1防衛医科大学校分子生体制御学講座
キーワード:
尿酸値
,
尿酸輸送体
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)メタアナリシス
,
遺伝率
,
機能解析
Keyword:
尿酸値
,
尿酸輸送体
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)メタアナリシス
,
遺伝率
,
機能解析
pp.1111-1118
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131111
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痛風は古くから知られる関節疾患であり,その基礎病態である高尿酸血症と合わせて,現在も増加の一途にある生活習慣病である.これまでの研究から,痛風・高尿酸血症には遺伝要因が強く影響することが明らかとなってきた.近年では,数十万人以上の規模でゲノムワイド関連解析(GWAS)およびそれらのメタアナリシスが行われており,見出された疾患感受性領域は優に100を超える.このような遺伝学的アプローチを通じて得られた知見は,これら尿酸関連疾患の分子病態のみならず,尿酸の体内動態制御機構の理解にも大きく貢献してきた.とりわけ,痛風・高尿酸血症の主要病因遺伝子として同定されたATP-binding cassette transporter G2(ABCG2)には,尿酸輸送体としての機能変動をもたらす病因変異が日本人で高頻度に認められることから,わが国におけるゲノム個別化医療・予防への応用が期待されている.本稿では,関連する研究分野の黎明期から現在に至るまでの動向について,筆者らの知見を交えながら概説するとともに,最近の話題についても紹介する.
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