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連載 遺伝カウンセリング――その価値と今後・Vol.13
多因子疾患の遺伝カウンセリング
Genetic counseling for multifactorial disorders
松﨑 佐和子
1
Sawako MATSUZAKI
1
1九州大学病院臨床遺伝医療部
キーワード:
多因子疾患
,
一塩基バリアント(SNVs)
,
polygenic risk score(PRS)
Keyword:
多因子疾患
,
一塩基バリアント(SNVs)
,
polygenic risk score(PRS)
pp.607-612
発行日 2024年2月17日
Published Date 2024/2/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28807607
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◎多因子疾患は遺伝要因と環境要因の複雑な相互作用により発症し,3人に2人が生涯に発症するありふれた疾患である.多因子疾患の遺伝カウンセリングは,個人のリスクを提示できないことを前提に,クライエントが如何ともし難い遺伝要因と変えることができる環境要因を理解し,受容し,健康行動につなげることが重要とされている.ところが,近年のゲノム解析研究で疾患感受性遺伝子や発症に影響する一塩基バリアント(SNVs)の解明が進んでおり,今後,多因子疾患のリスク提示が精緻・個別化されることが見込まれる.多因子疾患のリスク提示が個別化されることにより,クライエントごとに最適な医学管理の提供も可能となることから,遺伝カウンセリングもその変遷に柔軟に対応すべく,役割や内容をアップデートしていく必要がある.
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