研究
当院における侵襲性B群溶血性連鎖球菌(GBS)感染症の検討
峰松 伸弥
1
,
七條 了宣
,
樋口 直弥
,
冨野 広通
,
松永 友佳
,
江頭 政和
,
江頭 智子
,
水上 朋子
,
高柳 俊光
1国立病院機構佐賀病院 小児科
キーワード:
Streptococcus agalactiae
,
妊娠管理
,
新生児疾患
,
妊娠合併症-感染性
,
連鎖球菌感染症
,
感染症垂直伝播
,
発病年齢
,
妊婦健康診査
Keyword:
Age of Onset
,
Infant, Newborn, Diseases
,
Pregnancy Complications, Infectious
,
Infectious Disease Transmission, Vertical
,
Prenatal Care
,
Streptococcal Infections
,
Streptococcus agalactiae
pp.1765-1768
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2021049650
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侵襲性B群溶血性連鎖球菌(GBS)感染症と診断された症例の年時別発症数について検討した。2008年4月~2019年3月の11年間に当院の新生児集中治療室または小児病棟に入院した13症例を対象とした。これらの症例を発症時期に基づき、生後7日未満に発症した早発型(EOGBSD)、生後7日目以降90日までに発症した遅発型(LOGBSD)、生後90日以降に発症した超遅発型(ULOGBSD)に分類した。発症数はEOGBSDが9名、LOGBSDが3名、ULOGBSDが1名で、年度別にばらつきは認めるものの、決して減少傾向にはなく、2014年以降は遅発型症例が増加していた。在胎35週以降の10症例の検討では、EOGBSDは6例、それ以外は4例であった。EOGBSD 6例の母体GBSスクリーニングの判定は陽性2例、陰性2例、不明2例であった。本症例のGBS検出の動向が妊娠経過中に変動し得るGBSのcolonizeの状況によるものなのか、検査自体の感度の問題なのかを区別することはできないが、本症の重篤を勘案すれば一度でもスクリーニング陽性と判定されれば、分娩時にはGBS陽性母体として予防策を講じてもよいものと考えられた。
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