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B群溶血レンサ球菌の血清型
横尾 裕
1
1デンカ生研(株)生物試薬部
pp.1080-1081
発行日 1989年7月1日
Published Date 1989/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205650
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B群溶血レンサ球菌(B群溶レン菌)は母子間の垂直感染により新生児に敗血症,髄膜炎を引き起こすことが知られ,検査の重要性が認識されつつある.B群菌は分類学上StrePtcoccus agalactiaeに属することから,cAMP試験,馬尿酸分解試験,バシトラシン感受性試験などの一連の性状検査により,同定は可能であるが,一般的には血清学的手法により同定され1),同定用の試薬(抗血清)は市販されている.またB群菌の血清型別については,Lancefieldの沈降反応による型別法が基本になっており,菌体が保有する多糖体抗原によるIa,Ib,II,III,IV,V型と蛋白抗原によるC,X,Rの各型に分けられている2).その他,まだ正式に認知されないものの,新抗原型の候補株としてWHOのレンサ球菌国際センターに登録されている数種の菌株があり,今後新たな型として追加されるものと思う.蛋白抗原は多糖体抗原に付随する形で出現することが多いが,蛋白抗原型しか持たない菌株もある.組み合わさった場合の菌型の表示は多糖体抗原型を前に,蛋白抗原型を後に表示するよう定められている.
〔例〕III/R(注:かつてIc型として表示されていた菌型は現在Ia/cと記すよう改められた).
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