FORUM 死を看取る――死因究明の場にて・Vol.3
生と死の境界線③
大澤 資樹
1
Motoki OSAWA
1
1東海大学医学部基盤診療学系法医学領域
pp.544-547
発行日 2024年2月10日
Published Date 2024/2/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28806544
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自発呼吸の停止
肺で行われる呼吸運動は,横隔膜や肋間筋といった多くの筋肉の収縮運動により維持されているが,その運動は神経により支配され,制御されている(図1).その神経の指示は,呼吸中枢とよばれる延髄の特定の部位から発せられる.呼吸中枢は,延髄腹外側野に散在し,明確な境界を持つ構造ではないので,中枢性化学受容野とよばれている.呼吸中枢の本態は,二酸化炭素(CO2)の化学受容体であり,CO2濃度や脳脊髄液中の水素イオン濃度[H+]に反応して,換気を促進させている.
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